2022年10月23日(日)より10年ぶりに再演となり開幕した劇団四季『美女と野獣』の公演を観てきました。
観劇日: 10月26日(火)マチネ公演 開演12:30~
劇場 : 舞浜アンフィシアター
主なキャスト
ベル : 五所 真理子
ビースト : 清水 大星
モーリス : 菊池 正
ガストン : 金久 烈
ルフウ : 山本 道
ルミエール : 大木 智貴
コッグスワース : 吉賀 陶馬ワイス
ミセス・ポット : 潮﨑 亜耶
マダム・ブーシュ : 戸田 愛子
バベット : 朴 悠那
チップ : 秋山 紘大
私自身、『美女と野獣』を観劇するのは今回が初めての為、前回との比較評にはできません。今回から舞台美術含め新演出版として舞浜公演で新たにスタートしました。新鮮で、これこそミュージカル!というあっという間の3時間を感動体験をしたので綴ります。
劇団四季の『美女と野獣』と言えば、「石丸幹二」「堀口敬子」「濱田めぐみ」「吉原光夫」と日本のミュージカル界を代表する主役級俳優が過去出演していたことでも有名です。
また、2017年エマワトソン主演の実写映画版では日本語吹替役として「タンス夫人:濱田めぐみ」「ガストン:吉原光夫」でキャスティングもされています。
今回出演している俳優が、今後劇団四季を退団したらと考えると観ずにはいられずチケットを取りました。
劇団四季×ディズニーの安定さと新鮮さ
劇団四季と言えばディズニー作品のミュージカルをメインに上演しているだけあり、『アナと雪の女王』の新作開幕の時より話題性は欠けていますが、劇団四季ファンにとっては待望の再演、そして人気作品とだけあって既に来年の2023年3月頃のチケットまで完売状態、4月以降も売り切れ目前です。
劇団四季と言えば『ライオンキング』ですが、実は『ライオンキング』が日本初上演された1998年よりも前の1995年に『美女と野獣』は初上演されました。これが「劇団四季×ディズニー」の第一弾となります。それから、『美女と野獣』、『ライオンキング』、『アイーダ』、『リトルマーメイド』、『アラジン』、『ノートルダムの鐘』、『アナと雪の女王』と続いていきます。
これまでに「劇団四季×ディズニー」のコラボは何度もありましたが、今回の公演は「舞浜アンフィシアター」でのロングラン公演。ミュージカルを見慣れていないディズニーファンをも取り込んでいこうとする劇団四季の姿勢と新鮮さを感じています。劇団四季ファンの中にはディズニーファンも多いですが、これを機に更にその層が増えるのでは?と感じました。
舞浜駅~舞浜アンフィシアター到着、開演するまでの様子
- 舞浜駅~舞浜アンフィシアターへは徒歩10分弱かかる
- 開演一時間前でも人が溢れかえっていた
- プログラム購入時に四季の会会員証提示で不織布袋をもらえる
舞浜駅からイクスピアリに向かうと『美女と野獣』の公演ポスターが2m間隔ぐらいで飾られていていて気持ちがどんどん上がっていきました!
舞浜駅から「アンフィシアターはこちら」と書かれている案内をたどりながら歩くこと10分弱。着いてみると開演1時間以上前にもかかわらず既に観客の人で溢れかえっていました。そして客層が親子や若い方が多く、最近は宝塚ばかりを観ていたので客層の違いに驚き。そもそも小さいお子さんが多く、中にはベルの黄色いドレスを着ている女の子もいて本当にかわいらしかったですし新鮮でした。
ロビーは客数が入れきれないほどなのか、既に列だらけ。
- プログラムを購入するための列
- キャストボードを撮るための列
- 美女と野獣モチーフのバラの記念オブジェを撮る列
- グッズショップに入るための列
「せっかく舞浜まで行くのであれば全部楽しみたい!」
という方は1時間半前には舞浜駅に到着することをお勧めします。
キャストボードと記念オブジェは幕間、終演後も撮影可能です。
私は終演後に撮影を試みましたが、キャストボードは人が全くおらず取り放題。
記念オブジェは相変わらず長蛇の列でその後の予定もあったため諦めました。
プログラム売り場のレジでは四季の会会員証提示で不織布の袋をいただくことができましたので、会員の方は列に並んでいる間にスマホの準備をお忘れなく!
ロビー(チケット改札内)には100円リターン式のコインロッカーもありました。
使用したい方は駅のロッカーではなくこちらを利用した方がお得です。コインの準備もお忘れなく!
客席は2階席の概念が無く、1階席がなだらかに続いていく感じでした。
まるでショーを観ているかのようなミュージカル。
1幕を観終わった感想は「これはミュージカル?ショーでは!?!?!?!」という感想でした。
ルミエールの手の先からは本物の火が毎回灯されるわ、火花沢山散るわ…。照明は舞台側から客席に向けてフラッシュを多用しいて一瞬の瞬きの間に、衣装チェンジや場面転換が行われる演出でした。ミュージカルを観に来たはずがショー作品を3時間見続けているような感覚で目から得る刺激が多かった!舞浜という土地柄なのか園内の屋外ショーのようで観終わってからもディズニーの世界観に引き込まれっぱなしで現実になかなか帰ってこれなくなりました。
1幕「♪ビーアワゲスト(Be Our Guest)」
美女と野獣の有名ナンバーである「♪ビーアワゲスト」のノンストップショーは本当に一瞬たりとも目が離せないほど。ラインダンスや群舞、10数人のアンサンブルだけで創り上げているとは思えないほど何度も何度も衣装チェンジしながら場面転換を繰り返す演出は演じる側は大変だろうけど、素晴らしかった。一瞬の乱れも許されない緊迫しそうなナンバーであれだけ笑顔で歌って踊られるミュージカル俳優の技術力とメンタルを考えると拍手喝采せずにはいられませんでした。
「♪ビーアワゲスト」は忘れられないハプニングもありました。
途中、男性アンサンブルキャストの頭飾りの小さいポンポンが付いている羽根?が舞台上に落ちてしまい、すぐにサッと拾い上げて片手に持ったまま踊っていました。最終的にどうするんだろう?と思いながらみていると、曲終わりに両手を体の横に広げて決めポーズをしなければならず、その瞬間口にくわえてポーズ!私には一輪の花をくわえているようにみえました…。踊りながら判断して、ハプニングを逆手にとった演出は素晴らしかったですし、プロってすごいな、生の舞台だからこその醍醐味だなあと久々に感じることができました。
劇団四季側が示すプリンシパルキャストの世代交代
ルミエール役の大木智貴さんが演じる狂言回し
昨年に大阪で劇団四季『リトルマーメイド』を観たときに、エリック王子役を演じられていたのが、今回ルミエール役で出演されている大木智貴さんでした。幸運にも前から2列目ドセンに座ることができて、さわやかなエリック王子の笑った時の目尻に半ばやられてしまっていました。
私の中では劇団四季の中でも王子様役を演じられている方という認識。
今回ルミエール役と聞いて衝撃でプリンス役は卒業なのかな…?と思うとちょっと寂しいです。リトルマーメイドはこれからも続いていくだろうし、「美女と野獣」と代わり替わり出演してほしいなあ。
個性的でユニークなルミエールをプリンス役俳優が演じるのってどんな感じなんだろう?受け入れられるのかな?と思っていましたが「ビーアワゲスト」の壮大ナンバーの盛り上げっぷりは最高でした!狂言回し役ということで沢山の場面に出てきてくれますし、沢山あの素敵な目尻を拝むことができて良かったです♡
ガストン役の金久烈さんのホンモノの筋肉!
金久ガストンは最初に登場した瞬間からアニメ映画のガストンがそのまま舞台に飛び出してきたのかと思うほど筋肉モリモリで思わずマスクの下で口を開けてしまいました(笑)
筋肉マッチョの方が特別好きというわけではないですが、あの二の腕の筋肉から金久さんの「美女と野獣」にかける思いが伝わってきましたし、これは本当に卵5ダース食べてるな…とも(笑)
ヴィランズらしく大男でちゃんと胸糞わるさもある中で(褒めてます)ベルを必死に思うばかりに狂っていくガストンを演じられていました。
ビースト役清水大星さんとベル役五所真理子さんの美
清水さんといえば『オペラ座の怪人』ファントム役、五所さんと言えば『オペラ座の怪人』メグジリー役。オペラ座ではあまり交わることのない二人が、美女と野獣を演じるのってどんな感じなんだろう?というのが率直な感想でした。
ビーストもファントムに似て、「こいつほんとに大丈夫?」と思わせるキャラクターですが、ファントム役経験のある清水さんはその怪しさと不気味さが野獣にも表れていました。最初は傲慢でベルに対してもヒドイ扱いをするビーストも最後にはベルへの愛に満ちていて、人の心情の変わり方を美しくもビーストらしい不器用さを表現しながら演じられていました。これは清水さんファントムを観なければ。
今回から長年ビースト役をされていた佐野さんが抜けて清水さんが入ったことでも、ファントム役と同じく代替わりがきてるんだなと思ってしまいました。先日の「ミス・サイゴン」大千秋楽で市村さんから引退宣言が出てSNSが少しざわついていましたが、長く世代を超えて愛される作品の新陳代謝は否めなめません。そうしないと何十年後かに観れない作品となってしまってはもったいないですし。でも佐野さんビーストも観ておきたかった…。
五所さんは、天真爛漫な夢みごごちな少女から、ビーストに対する愛を確信していく大人の女性への移り変わり方と最後のTHEベルの黄色ドレスをまとった五所ベルの美しさは圧巻でした。
そして何よりも「♪美女と野獣」の二人のデュエットダンスが美しすぎて…思わず涙しながら美しいメロディーとミセスポッドの歌声とで酔いしれてしまいました。
次回観劇予定…
実写映画とはまた違う、生である舞台の迫力と目の前の美しさに酔いしれる素敵な作品でした。
ストーリーも、音楽も有名ですしはじめて観に行っても十分に楽しめます。
次回の観劇予定は、2023年5月。
今回はひとり観劇でしたが、次回は友人と二人で観るのでまた一段と楽しみですし色んな感想を聞きたいなと思っています。
次回は今回観れなかった平田さんベルでももちろん嬉しいですし、その頃には新たなベルが誕生しているのかわかりませんが、劇団四季特有である「その時にならないとわからない未知のキャスト」を今から楽しみにしております!
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