今回は、東京宝塚劇場 宙組公演『HIGH＆LOW -THE PREQUEL-/Capricciosa!!』の感想です。
観劇日：11月10日（木）阪急交通社貸切公演
日本最大級エンターテイメントの「宝塚歌劇団×LDH JAPAN」のコラボということで作品発表時から話題騒然となりました。続いて発表された公演ポスターも「SWORD」役陣のビジュアルも衝撃でした。特にROCKYがほんとにあのキキちゃん…？と目を疑いました。
『宝塚×治安の悪さ』はある程度慣れているけど、「どんな化学変化が起こるのか」「そもそもあるハイローの世界を宝塚が壊してしまわないのか」色んな憶測が飛び交いましたが、結果宝塚作品としては最高！という感想です。
ショー「Capricciosa!!」。前回の「Never say goodbye」よりトップお二人の輝きが、一段と増していて本当に素敵で熱い大介ショーを観ることができました。
１幕『HIGH＆LOW -THE PREQUEL-』の感想
TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE
『HiGH&LOW －THE PREQUEL－』
原作・著作・構想／HI-AX
脚本・演出／野口 幸作
予習率はあらすじのみの10％程度
予習はするかしようか迷って、しませんでした！
…というのは嘘で、そもそも予習する余裕が無かっただけです。笑
今回はLDHのオタクの方（宝塚初見）と一緒に観劇したのですが、当日会ってご飯を食べながらサラ～っとあらすじを聞いた感じです。
正直ハイロー自体にあまり興味がなく、その方の為にチケットを頑張って取った、ぐらいの気持ちだったのでまあわかんなくてもいいかーという感じで観に行きました。
プログラム読んで「SWORD」とかのある程度の単語はその場で覚え、それから観ましたが、初見でもわかりやすくて物語としてとっつきやすかったです。
宝塚×治安の悪さは最高だった
冒頭から「SWORD」各チームの紹介が始まります。そして宝塚らしく大階段を使っての演出！
そして初っ端からとーっても治安が悪い！！！どちらの文化も物語の世界観も踏襲した、あのプロローグからとんでもない作品を観てしまっているような感覚でした。
宙組は下級生までスター勢揃いで、一人一人本当に歌がうまい。
これだけのスターを揃えられているからこそ「SWORD」のリーダー格がそれぞれ成り立つし、舞台上でのキャラクターの映え方がそれぞれで全く違うものをバランスよく配置されていて。今の宙組にしかできない作品なんだな、と痛感しました。
野口先生といえば「ODYSSEY」の時に感じてしまった男役と娘役のバランスも今回は改善されていて良かったです。（ODYSSEY上演中の頃にはハイローは既にお稽古中なのでODYSSEYを踏まえての改善ではないと思いますが…）
「苺美瑠狂」と「苦邪組七姉妹」の抗争もあり、他の娘役も「役名」だけではなく綺麗に舞台上に配置されているなと感じました。そして何よりも「苺美瑠狂」と「苦邪組七姉妹」のド迫力なアクションシーンは、オラオラしてるセリフ回しが、普段可憐で華やかな娘役達が真逆の役作りをし、ガラの悪い不良娘を２時間弱の中でこれでもかというぐらいに沢山観ることができるのがまた刺激的でいい。
宝塚的恋愛要素をうまくはめ込んだストーリー
宝塚で公演するにあたって絶対に外せないのが「トップスター」の設定ですよね。どれだけ男性メインの作品でもトップ娘役の配置をどう生かすかによってその作品のバランスやファンのとらえ方も違ってくると思います。コブラの元ある設定の「無口さ」に焦点を当て、悲恋を描く。その相手をオリジナルキャラクター「カナ」としてトップ娘役で登場させる。という野口先生のまとめ方とスマートさに脱帽でした。
この「カナ」役がとにかく潤花ちゃんそのもの！普段のパーッと華やぐ持ち前の明るさと笑顔を生かすことのできる「カナ」はとてもはまり役でした。ただ物語後半は死に近づくにつれてどんどん苦しくなっていくのですが…。そして本、ネバセイの時にも思ったのですがそれをさらに一段と超えて本当にお歌が上手くなられましたよね！！どれだけ努力したのかと考えると、トップ娘役になるってこういうことなのか、と感じられました。
LDHオタクの知人の感想｜「ファンにはたまらない演出と構成だった」
「あの曲もこの曲も、このキャラも出てきてファンとしてはたまらなかった！これでハイローにはまってほしい！！」との事でした。
と聞いてから、あ、全部オリジナルソングじゃないんだ―と気づく私。笑
ドラマも映画も観ずに行ってしまったけれど、個人的にはとても楽しめたし宝塚のハイローなのでこれはこれって感じで受け止めています。とりあえずドラマを観たら作品の解像度が上がりそうなので観ようかなと思います。（年末とかで一気見になりそうな予感）
２幕『Capricciosa!!-心のままに-』
ファッシーノ・モストラーレ『Capricciosa（カプリチョーザ）!!-心のままに-』
作・演出／藤井 大介
イタリア各地を伊達男カプリチョーザ（真風さん）が放浪する、大人な熱いショーでした。
ハイローの記憶がふっとぶテーマソングと宙組生の圧
観終わってから『カプリチョーザ！カプリチョーザ！Yeah!!!』が頭から離れないほど。ロケットで下級生が叫ぶ『ヤッ！！！！』が私は大好物なのですが、これに匹敵する『Yeah！』でした。サングラスで登場して銀橋も本舞台もずらーッと並ぶ、宙組生の圧を２階後方席でもドーーン！！と感じました。恐るべしコーラスの宙組。
私の中で大介ショーと言えば昨年の雪組公演「Fire Fever!」なのですが、真っ赤な衣装と頭の上のよくわからない飾り（失礼）が「Fire Fever！」感があって好きでした。
アドリブ？おふざけ？よくわからなかったのですが
銀橋に真風さんキキちゃんずんちゃんが３人で並ぶ時、トップバッターで移動しなければいけないずんちゃんだけ猛ダッシュ！！後のお二人はゆ～っくり歩いていて、本舞台の方へ戻るときもずんちゃんは猛ダッシュ！後ろのお二人はあいかわらずゆ～っくり歩いてくるもんだから、ずんちゃんが綱を引くように両手でよいしょっ、よいしょっとされていました。笑 あれは何だったのだろう…笑
ディズニーシーに行きたくなったヴェネツィアの場面
「Fire Fever!」でのブランカの場面のような優しい「ヴェネツィア」の場面も素敵でした。もえこちゃんによる美声のゴンドリエーレを聴いたらディズニーシーのゴンドラに乗りたくなるし、橋の下で願い事を一緒にしてほしい…。身体のラインがはっきり出るドレスに身を包んだずんちゃんの女装。ずんちゃんとわかっていても「ずんちゃん？ずんちゃんで合ってる…？」と確信できないまま見惚れていたら終わってしまいました。
後半の歌詞とトップお二人の輝き
ショー後半、フィナーレに向かって輝きがどんどん増していくトップのお二人。
私が観始めたときから真風さんと潤花ちゃんコンビだったので、真風さんの任期期間を考えると妥当なのかもしれませんが、もっとこのお二人での宙組を観ていたかったなというのが正直な感想です。
ミラノの場面での三角関係、カプリチョーザ（真風さん）がアリストクラティコ（芹香さん）へパドロナ（潤花ちゃん）を託すシーンや「旅立ち」を歌う場面は退団発表を踏まえてから観てると本当に切なくて、歌詞が沁みて沁みて…。白いお衣装も狙っているのかというほど、お二人がお互いを思い合っている様子が舞台から見て取れました。
退団される来年まで、まだ時間はあるようで無くて。007の公演もハイローに引き続きチケ難になりそうな予感ではありますが、最後の時まで応援しています。
補足｜阪急貸切公演ご挨拶
今回のチケットは阪急交通社貸切公演だったため、恒例のトップスター真風さんのご挨拶にプラスして、阪急交通社イメージキャラクターの芹香さんによるご挨拶もある豪華な並びでした！
おひとりずつ出てくるのかと思いきや、お二人そろっての登場に会場内も拍手の量がすごかったです。
下級生までうたうまな宙組生
宝塚ファン歴まだ１年と少しなので宙組さん自体まだまだ観た回数が少なく、お顔の判別ができる方も多くありませんので浅い感想しか出てこなく申し訳ありません。
宙組は耳をふさぎたくなるほど歌がちょっと…という方が本当にいなくて、下級生までが歌える方が揃っているので安心してミュージカルが観れる組だなあといつも思います。
タカニュでおなじみのりっつくん、おさよちゃんこと小春乃さよちゃんのプリマドンナ、今回で退団されるあーちゃんこと瑠衣蒔世くんのエトワールもお見事でした。
別箱公演は行けない可能性が高いので、007は何としてでも１回は取りたいと思います！
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